2007年08月11日

手製マルチファンクションステアリングホイールの結末

先日のエントリで、CAN-bus違いのせいでSWI-CAN+SWI-Xがうまく動かないと書いた手製マルチファンクションステアリングホイールのスイッチだが、今日ようやく決着を見た。

まず、前のエントリで書いたとおり私のメーカーオプションのHDD MMS搭載のEOSにはオーディオ裏に来ているべきInfotainment CAN-busが来ていない。それが原因だろうと考え、まずはInfotainment CAN-busを探すことに。
CAN-busが大きく3つに別れていることは先日書いたとおりだが、そのCAN-bus同士の交通整理をするCAN Gatewayモジュールがある。それが「J533 Data Bus On Board Diagnostic Interface」だ。3つのCAN-busはこのモジュールを介して相互にやりとりをしているので、このモジュールには必ずInfotainment CAN-busが来ている(このモジュールから出ていると言うべきか)。
この辺りに興味のある方はネット上で見つかる「Jetta Electrical System Design and Function」というpdfファイルで説明されているので探してみてください。ただ、どうも著作権的に問題ありそうな気がするファイルなのでリンクはしません。("Jetta J533"で検索するとヒットします)

J533モジュールはリペアマニュアルによると運転席側のインパネ下のすぐ見える位置にあることになっている。ところが私のEOSではこのJ533モジュールがその位置に無い。リペアマニュアルは左ハンドル用だが、右ハンドルでもパーツの位置はほとんどの場合、鏡のように左右対称の場所にあるはず。ところがフロアペダル上のカバーを取ればすぐ見える位置にあるはずのJ533モジュールはどこにも見えない。一応グローブボックスを外して助手席側のインパネ内を見たがどこにも無い。実はこのモジュールをこの2日ほど早起きして通勤前に捜索していたのだが全く見つからなかったのだ。仕方が無いので休みの今日はサービスに行き、どこにあるかを教えてもらうことにした。
ところがサービスでもパーツの位置は判らないという。PCに向かってなにやら探して頂き、その後で現場作業の人にも聞いてもらったのだが、パーツリストの掲載図も左ハンドル用のもので、現場の人も普通は対称位置を探すそうなのだ。見つからないときはとにかくトリムを分解するしかないという。
外しやすいインパネの下側トリムは全部外して探したので、これ以上分解するとなると、面倒なインパネ上側トリムを外さねばならない。これは相当にうんざりする作業なので、探してくださったサービス担当にお礼を言い、いささかげんなりしつつ帰宅。
帰宅後、インパネ上側を外すのは勘弁して欲しいので、リペアマニュアルでJ533の形を覚え、手探りでインパネ下から怪しそうなところにとにかく手を突っ込んで探すことにする。幸いJ533は楔形の様なかなり変わった形をしているので触れれば手探りでも判別できるはずだ。
とりあえずヒューズやメインモジュールが集中していて一番怪しそうな、ライトスイッチ裏側の最奥部に手を突っ込んでみたところ「あった!!」。一番奥の手探りでしか判らない場所に確かに楔形の箱がある。しかしここにアクセスするにはインパネをほぼ全て外さなければならない。ちょっと上下に動かそうとしてみたが全く動かず、これは駄目かと思って横に押してみたところぽろっと外れた。
ラッキーとばかりに手前に少し強引たぐりよせ、ようやくJ533とご対面。 なぜにこんな判りにくいところに…
J533.jpg
コネクタのケーブルを見るとInfotainment CAN-busを表す橙/紫,橙/茶のケーブルが無い。リペアマニュアルのwiring diagramと突き合わせるとコネクタの10番,20番ピンがInfotainmentのはずだがコネクタにピンが無かった。Infotainment CAN-busは純正オーディオ、携帯電話操作モジュール、Auxiliary Air Heaterが接続されるCAN-busだが、日本仕様のHDD MMS搭載の車ではそのどれもが無いのでInfotainment CAN-busそのものが全く出ていないのだ。

実はこれは事前にある程度予想していたので既にコネクタに挿入するピンを用意していた。これをコネクタの空きピンに挿せばInfotainment CAN-busが取り出せる。
infocanpin.jpg
これでInfotainment CAN-busをSWI-CAN+SWI-Xに接続することは成功。とりあえず車のキーを回してみる… が、SWI-CANの電源が入らない。これも実は予想済で、何もつながっていない事になっているInfotainment CAN-busにはそのままでは何の信号も流れない。とりあえずVAG-COMでCAN Gatewayモジュールの設定をラジオが搭載されていることに変更してみる。と、見事にSWI-CANの電源が入った。

その後期待して学習動作をさせて見たが、いろいろ試した結果、結局8つのスイッチ全てを学習動作させることができなかった。 右端2つの上下三角のスイッチと左手側の星マーク(衛星ラジオ?)は学習動作させられるのだが、他のスイッチはSWI-CANがボタンを認識しない。CAN Gatewayモジュールの設定を携帯電話モジュールやTV tunerが搭載されていることにしてみたりと変えてみたが駄目だった。
VAG-COMのモニタではスイッチを押すと全てのスイッチで信号出力がモニタできるのでスイッチが死んでいる訳でもない。どうやら「EOSなのにパサートのステアリング信号が出力されている」という事態にSWI-CANが対応できないようだ。

という訳で手製MFSWはうまく動作させることはできなかった。残念ながらスイッチは無用の長物に…(^^;)
handmademfsw.jpg

そのうち前のエントリの計画のようにPICでプログラムを書き、このスイッチを生かせるハードウェアを作ってやろうと思うが、それまではロータリーコマンダー+ALOCNで我慢。
posted by kaishi at 23:35| Comment(8) | TrackBack(0) | VW EOS
この記事へのコメント
いや〜ここまで来ると何とも申し上げようがありませんが、とにかくスゴイですね。感服です。

素人の考えですが、オリジナルステアリングスイッチの動作(信号)をALCONに入力するということはできませんかね?
Posted by 永尾 at 2007年08月11日 23:59
永尾さん読んで頂きありがとうございます。
ここまで来てしまうとほとんどの方は訳が判らない(というより興味が無い)のでほとんど自分用の備忘録ですね。
基本的にネット上に既に存在する事は自分では書かない(いわゆる"車輪の再発明はしない")ことにしているのですが、ここまで来るとそれを通り越してネットに書く意味が無い(誰もこんな情報いらない)ような気がしています(笑)。

永尾さんが提案してくださった「スイッチ信号をALCON入力にする」事は真っ先に考えました。
その場合の最大の問題は「回転するステアリング上のスイッチの信号を回転しないALCONにどう伝達するか」なんです。それにはスリップリングという装置を介するしかないのですが、そんなものステアリングに後付できないのですよね。なおステアリングにはエアバッグやパドルなどの信号伝達用にスリップリングは既に装着されています。でもALCONへの信号伝達のための空き端子がある…なんて都合のいい事はありませんでした。なので正にこの信号伝達のために「スイッチ信号はCAN-bus信号として既に伝達されているからそれでなんとかならないかな?」と目論んでいた訳です。

ALCON自体をステアリングに組み込んでしまう(一緒に回してしまう)手もあるのですが、「ALCONの電源をどうやって取るのか?」「赤外線発光部も回ってしまうので常にオーディオに向けられない」という問題が出てしまいます。
Posted by kaishi at 2007年08月12日 00:26
なるほど。回ってしまうんですね。
PIONEERのAXM-P01というオーディオマスターユニットに同梱されているステアリングリモコンですが、ステアリング側のリモコンスイッチと赤外線発光部が分離していてステアリングの好きな位置に発光部を取り付けることができます。またこの発光部から発せられた赤外線信号は、同梱のリモコン受光部で受け取る仕様になっています。つまり回るステアリングと回らないステアリングコラムの間の信号伝達を赤外線でカバーしているということです。当然発光部は回ってしまうので受光部に向かない角度があり得ますが、発光部と受光部の取付自由度が高いので、この問題は相当解決されていると思います。リモコン発光部はボタン電池で駆動されています。このリモコンはAXM-P01専用モードとPIONEER製オーディオ製品用汎用モードを切り替えることができるので、PIONEERのナビやオーディオを装着されている方はそのまま活用できる可能性がありますね。PIONEERのホームページでAXM-P01の取説をダウンロードすれば詳しく載っていますよ。かくいう私も、パワーとはカロナビなので入手してやろうと画策中です。
Posted by 永尾 at 2007年08月12日 09:42
「パワーと」は「パサート」のミスタイプでした。
Posted by 永尾 at 2007年08月12日 09:44
情報ありがとうございます。AXM-P01の説明書を読んでみましたが結構面白そうです。ただ、ステアリングコラム側受光部は有線のCD-SE10相当でAV系には接続端子がある機器があるものの、ナビ系には接続端子が無いですね。そうなるとナビではステアリングホイール側の発光部をダイレクトにナビに向けるようにセッティングするしかなさそうです。回転させた時にどこまで追随してくれるか? が勝負ですね。

実は同じような事を前車SAABでやっていました。やることは単純でステアリングリモコンCD-SR100を買ってバラし、リモコン内基板のスイッチ部をSAAB純正のステアリングスイッチとケーブルで直結ハンダ付け、発光LEDもリモコン内基板から外してケーブルで延長してステアリングに開けた穴から出し、リモコン基板をステアリング内に隠します。電池はリモコンのボタン電池駆動(基板部に貼り付け)です。
この方法は簡単でお金もかかりませんが、汎用性が全く無いのと電池交換時にステアリングをバラさなければならないのがネックです。
またSAABのステアリングホイールは内部に割と空間がありましたが、EOSはほとんど隙間がないのもちょっと厳しいです。
Posted by kaishi at 2007年08月12日 18:18
う〜ん、ステアリングを操作しながら、コントロールする必要性が何処まであるかですね
私は、ALCON固定式で満足してしまいそうです
(というか、そこまでいじる自信ないです)
恐れ入ります・・・

ALCONの赤外LEDを増設して、動作範囲を確保してやる手はどうでしょうか?
Posted by Sinna at 2007年08月13日 09:21
そうですね。MFSWの利点は回しながらの操作、というよりは実は「全く手を離さないで済む」点だと思います。
昨日ロータリーコマンダー+ALOCNを取り付けたのですが、ロータリーコマンダーのスイッチはとても良く考えられていて手探りだけで簡単に操作ができます。しかし、(何の反応もしませんが)手製MFSWスイッチを押してみるとこれはもう圧倒的にMFSWスイッチの方が操作しやすいです。

ロータリーコマンダーは、ステアリングから手を離してコマンダーに手を伸ばさなければなりません。もちろん場所はステアリングコラム脇ですからちょっと手を伸ばすだけなのですが、MFSWスイッチではステアリングを握ったまま親指で「押すだけ」で操作できるので、比較してしまうと相当な違いです。

ステアリングホイールにALCONなどを組み込むには組込み場所の確保が最大の課題になりそうです。以下のVWVortexフォーラムの書き込みの写真を見ると判りますが、ステアリング内に全くといっていいほど隙間がありません。
http://forums.vwvortex.com/zerothread?id=2938601
私も実際に見ましたが非常に小さいALOCN本体すら組み込む隙がなさそうです。
Posted by kaishi at 2007年08月13日 11:24
オペレーション系は好みがあるので、難しいところですね

個人的には、オーディオ、NAVIの操作系は、
明らかな意思を持って操作したいので、
「持ち替え操作あり」の方がフィーリングに会うような気がします
でも、ステアリングに入っているほうがスマートですね(笑)
Posted by Sinna at 2007年08月16日 10:11
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