前のエントリに書いた通り、パドルしかないステアリングホイールにスイッチを付けて手製マルチファンクションステアリングホイール(MFSW)にする計画だが以下のように行き詰ってしまった。
・パドル付ステアリングには既にスイッチがハンダ付け可能な基板はある。
・基板をテストするとCAN-BUSにボタンの信号は出る
・しかし欧米仕様と出力される信号が違う
・そのため社外品のMFSW用赤外線リモコンキットは使えない可能性が高い
・CANを使わないとステアリングスイッチから直接配線して信号を取らなければならない
・しかしステアリングは回転するのでスリップリングを介さなければ配線できない
・スリップリングは後付け不可能
色々考えたのだが当面は永尾さんが実践されているロータリーコマンダー+ALCONでしのぐ事にした。
"当面は"ということは一応将来的な計画はある。
PICというワンチップマイコンがある。機器制御用にCPU,メモリ,I/Oなどが全てワンチップに入っていて電源とクリスタルさえ繋げばすぐに機器制御が可能なものだ(もちろんプログラムは自分で書かなければならない)。ワンチップが500〜1,000円代と大変安く、趣味の電子工作などでも良く使われるようだ。
PICには多様なラインアップがあるが、その中にCANのI/Fが内蔵されたモデルがある。これを使えばCANから信号を取って様々な機器制御が可能なのだ。
例えばMFSWのスイッチのCAN信号をPICによりロータリーコマンダーのスイッチ出力(ロータリーコマンダーの出力は単なる抵抗値)に変換してやれば、あとはALCONに接続するだけでMFSWスイッチを学習リモコンとして使える。ついでに車速パルスなど各種信号を出せるようにプログラムと回路を組めば、"CANバスアダプターPLUSスーパー"みたいなものも作れるはずだ。(あちらはMFSWのスイッチ4つだけしか使えず学習型でもないが、こちらはスイッチ8つ全部が学習できる(実現できれば、だが))
PICは非常に安価でしかもワンチップ化されているので上のようなものを作るのに部品代はせいぜい5,000円ぐらいだろう。(もっともPICにプログラムを載せるためのROMライターなどの開発環境代が別途必要になるが)
問題はお金よりはPICのプログラム開発のための知識の習得やCAN信号の解析にかかる時間である。
かなり面白そうなテーマではあるので暇を見つけてコツコツやろうとは思うが、いつになることやら…(挫折するかも(笑))
2007年07月30日
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マルチファンクションステアリングホイール 解決編(?)
Excerpt: 前々回、前回とマルチファンクションステアリングホイール(以下MFSW)を調べてきたのだが、新たな事実が判明して急展開。 色々調べてみたところ、EOSのパドルのみのステアリングホイールに装着されている..
Weblog: kaishiのblog
Tracked: 2007-08-01 11:08
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既にALCONとロータリーコマンダーを注文してしまったのが情けない(^^;)。
でも手製MFSWを作るためのスイッチが受注生産(正確には注文が溜まってから作る)で、12月にならないと発送されないことが判ったので、それまでの繋ぎにする予定です。
CAN I/F内蔵PICはいろいろと遊べそうですね。まずはUART<=>USB変換か何かしてCAN信号をPCでモニタするアダプタを作るって感じですかね?
CANモニタリングはVAG-COMでも可能ですが、以下のようなものも出ています。
http://www.mal.jp/open/productsshop/108.php
これらにはCANのモニタプログラムが内蔵されているので、それでもモニタできますね。
ノードボードを購入して、回路を追加変更した後に、PICのプログラムを書き換えればいけるかなあ、と思っていました。
PICの開発環境は安価とはいえ、35,000円ぐらいするのでどうしようかと考えていましたが、結局別エントリの通り、SWI-CAN+SWI-Xが使えそうなのでそちらで行くことにしました。
こちらのアプローチも個人的には結構面白そうなのでやってみたい気もしますが…